ノーサイドの瞬間、藤原監督がうつむき涙をこらえた。その姿に、08年度の花園で、2年後輩の松島らとともに御所実と戦った桐蔭学園ラグビー部OBの私も胸が熱くなった。仕事中にもかかわらず、思わずガッツポーズが飛び出した。監督の涙を見ると高校時代を思い出した。

私が高校3年の夏、ラグビー部の同級生が心不全のため急逝した。天国に旅立った仲間のためにも「絶対に勝つ」と意気込み、臨んだ08年度の神奈川大会決勝。接戦の末に勝利した瞬間、誰よりも涙を流して喜んだのが藤原監督だった。今日の試合も、選手に寄り添う監督と、選手の信頼関係があったからこそ生まれた逆転勝利だったに違いない。【08年度88回大会 桐蔭学園ロック・古財稜明】