新潟BBラビッツが今季初勝利を挙げた。山梨QBを延長の末、74-66で破り、18-19年シーズンから続くリーグ戦の連敗を22でストップ。リーグ戦では18年12月16日山梨戦以来433日ぶり、ホームでは16年12月11日アイシンAW戦以来1168日ぶりの勝利になった。66-66の延長残り2分45秒、F津田史穂莉(27)が決勝の3点シュート。チーム全体でもリバウンドで圧倒するなど、一丸になって接戦をものにした。新潟は今日23日も山梨と対戦する。

    ◇    ◇    ◇

渾身(こんしん)のシュートがリングをとらえた。その瞬間、背後の新潟ベンチの歓声が津田の耳に届いた。延長、66-66から「入れ、と願った」という1本。3点のリードを奪い。新潟に勝利を呼び込んだ。

試合前の練習では3点シュートが入らなかった。それでも「試合になったら入れてやろう」と強気で挑んだ。今季新潟に移籍するまで3季在籍した山梨が相手。「やりづらかった」と試合前は意識した。ただ相手を知っていることが武器になった。守備では6スチールをマーク。感覚で覚えている昨季までのチームメートのドリブル、パスのタイミングを計り、180センチのリーチを伸ばした。

新潟は前半終了時に27-42と15点のビハインド。そこから試合をひっくり返した。第4Qは64-61から追いつかれて延長にこそ入ったが、相手の勢いにのまれることなく乗り切った。津田の6個を筆頭にチームで15のスチールを決めた。リバウンドも54本獲得し、山梨の37を大きく上回った。

「ベンチから出場してきた選手が指示を出していた。全員で戦っていた」。主将の井上愛(30)は言う。20日の練習後、輪を作りながらメンバーに言った。「頑張ろうという気持ちを表に出してほしい」。感情表現が苦手なチームメートに闘志を前面に出すことを呼びかけた。得点が決まるごとにベンチが沸き、コート上では好プレーをハイタッチでたたえた。チーム一丸が形に表れた。

「お客さんの喜ぶ顔が見られて本当にうれしい」。約3年2カ月ぶりのホームでの勝利に井上は笑顔を見せた。すぐに「次も見たい」。今日23日、勝てば16年12月3、4日のアウェー山梨戦以来の連勝となる。山梨とは勝率で並び、直接対決の勝利数で上回るため最下位も脱出する。「絶対に勝ちたい」と井上。1勝をもぎ取り、2つ目の勝利の重さを感じ取った。【斎藤慎一郎】