フィギュアスケート女子で昨季世界選手権代表の樋口新葉(19=明大)が、今季は初戦からトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を投入する構えをみせた。21日に大阪府内で公開された全日本シニア合宿に参加。練習でも精力的に3回転半へ取り組んだ。

以下は一問一答。

-この合宿で取り組みたいこと

氷上だけでなく、せっかくダンスのレッスンだったりも見てもらえるので、氷上につながるような、体の動きだったりを学んでいきたいです。

-コロナウイルスの影響について

4月8日から6月1日まで練習ができなくて、2カ月ぐらいずっと氷には乗れなかったです。再開してからは、徐々に徐々に氷に慣れていくような感じで練習を進めてきました。今は今までできていたことが、ほぼ全てできている状態なので。自粛期間の陸でのトレーニングが、今に生きているのかなと思います。

-氷に乗れなかった時期に新しく取り組んだのは

新しくトレーニングをしたというより、今までやっていたトレーニングの強度を上げたりとか、頻度を増やしたりとか、ほぼ毎日やっていたり…という感じでした。確かに氷上の練習はできていなくて、運動量は少し減っていたけれど、体幹だけじゃなくて、走ったり、ジャンプしたりと、結構多めにやっていました。

-スケートに対する思いに変化は

世界選手権が中止になってから、しばらく何の練習をしたらいいのかな…という感じでした。「自粛しないといけない」となって、最初の1~2週間は「戻るのかな?」とか、不安な気持ちがありました。そこから1カ月半ぐらいは諦めて、スケートのことは何も考えないで「コロナにかからないように」と意識しながら過ごしていました。

-今季のプログラム

SP、フリーともに去年と同じプログラムで、試合に臨みたいと思っています。

-同じプログラムの意図は

今年も海外の振付師さんにしてもらおうと思っていたけれど、向こうに行けないので、リモートでやってもらうことになっていたんですけれど、なかなかカナダやアメリカのリンクが開かなくて、振付師さんも私も滑れないとなると、よく分かんなくなっちゃうなと思って。今年も去年と同じプログラムで精度を上げて、試合に臨んだ方がいいかなと思いました。

-北京五輪プレシーズン

あまり五輪とかを考えずに、去年と同じように、自分ができることをしっかりやりきる。落ち着いて新しいトリプルアクセルだったり、そういうものを安定させていけるようにしたいです。自分が一番目標としている大会で、しっかり結果が出せるように、練習に取り組みたいと思います。

-現在の練習状況は

貸し切りとかは朝と夜で、普段通りの練習ができています。神宮のリンクは一般の貸し切りが人数制限がかかっているので、滑りたい時間には滑れない状況です。練習量としては1~2時間は減っていると思いますが、その分は陸上トレーニングとかでカバーできているので、すごくいい練習はできていると思います。

-コロナ禍の苦労から、身についたものは

今まで意識していなかったんですけれど、マスクをしないといけない、いろいろなところを触らない、電車に乗る時にも気をつける…。今まで全然気にしていなかったことを気にするようになって、対策をするようになったので、コロナが収まっても続けていったらいいことだと思います。それはすごくいい経験でしたが、練習ができなかったり、試合が中止になったり…。これからも試合が無観客もあり得るので、そういうことに慣れていかないといけないと思うんですけれど、試合でお客さんがいないのはすごく悲しいので。お客さんの大切さが、すごく分かりました。

-世界選手権後に3回転半の成功動画をアップしていた。今季の導入予定は

去年、最後の最後で入れられたっていう状況だったので、今年こそはシーズンに入る前から安定したジャンプにして、最初から挑めるようにしていきたいと思っています。今日も昨日も最近、すごく調子がいいので、いい質のジャンプが跳べていると思います。

-SP、フリーでそれぞれ組み込む予定か

SPはまだ全然、そこまで安定しているわけではないので、入れる予定は今はないです。フリーでとにかく最初の1本、跳べるようにしたいです。結構、降りてからステップアウトしないように耐えたりとか、回り切ってはいると思うので、しっかり着氷できるように練習していきたいです。

-北京五輪の開催を危ぶむ声もある

気にする人もいるかもしれないけれど、私はあまり考えすぎずに、自分ができること、やるべきことをどんどんこなしていく。それをクリアしていって、その先に五輪とか、大事な試合があると思うので。あまり不安になることは、考えないようにしています。