優勝候補・東海大大阪仰星(大阪第1)の花園が、WTB大畑亮太(3年)の先制トライで幕を開けた。出場63校中唯一、2回戦から登場。大畑は前半4分、相手守備ライン裏へのキックに反応し、インゴールに飛び込んだ。開幕前、日本代表通算69トライを誇るOB大畑大介氏(45)に激励を受けた。“仰星の大畑”がチームを引っ張る。京都成章(京都)常翔学園(大阪第3)大阪朝鮮高(大阪第2)御所実(奈良)も元日の3回戦進出を決めた。

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狙ったトライだ。前半4分、ゴール前22メートルのラックを、WTB大畑は右後方から見ていた。アイコンタクトしたSO奥田が、相手DF裏を狙ったキックに合わせた。トップスピードで追いつき、右足でボールを引っかけ、インゴールで押さえ込んだ。

「ミーティングから“あそこが空いている”とみんなで話してましたから」。大会初戦の先制トライに胸を張った。

「仰星の大畑」と言えば「大畑大介」だ。花園を沸かせ、京産大、神戸製鋼で鳴らし、日本代表58キャップ…。今の「仰星の大畑」は血縁関係もなく、その存在すら知らなかった。ところが、回りに「大畑、大畑」と言われ、同姓の先輩の動画を見て、いかに偉大だったか知った。

開幕前の19日、中継局の取材で学校に来た先輩にインタビューを受けた。「君は仰星にあまりいないタイプのBK。勝負して、走りきれる。その良さをうまくチームに融合させたらいいと思うよ」-。相手に当たってポイントを作るだけでなく、決めるところは自分で決める。現役時、一気に局面を打開した先輩のようなプレーが理想的だ。

難敵佐賀工を破り、初戦を突破した。湯浅大智監督(39)は「技に頼らず、体を当て、前に出る。それをやりきった」と満足そうに話した後、大畑について「自分で走るだけじゃなく“チームマン”になってきた」とほめた。大畑は言う。「仰星の大畑である以上、大畑さんの顔に泥を塗るプレーはしたくないです」。6度目の優勝へ。快足を飛ばし、貢献する。【加藤裕一】

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