全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(63)は23日、東京・講道館で記者会見を開いた。

全柔連のコンプライアンス委員会が、山下会長を通じてガバナンス(統治)欠如により愛知県連盟執行部の刷新を求める業務改善要望書を提出し、その対応が「隠蔽(いんぺい)」と報道された問題について説明した。

全柔連は昨年9月、小学生の大会で判定を巡って審判員に暴言を浴びせるなどしたとして、愛知県連盟の河原月夫会長(71)に10カ月の会員登録停止処分を科した。同11月に山下氏は、全柔連のコンプライアンス委から愛知県連盟の業務改善要望書を受け取り、副会長らと協議。常務理事会で方針を確認した上で、今年1月に名古屋市で河原会長と面会した。愛知県連盟の応接室で辞任などを含めた業務改善を口頭で促した。

山下氏は「都道府県連盟は全柔連の下部組織ではなく別組織の加盟団体」と強調した上で、「(業務改善要望したがその後の)手続きは各連盟さまざまであり、そこは配慮が必要」と、業務改善に関しての最終的な判断は愛知県連盟にあることを強調した。

一連の問題を理事会に報告しなかったことについて「隠蔽(いんぺい)」との一部報道もあったが、全柔連の倫理懲戒規定第9条に「会長は加盟団体に対して必要と求める場合は、業務の改善を求めることができる」とだけ記され、そもそも報告義務がないことを指摘。その点に関して、同席した中里壮也専務理事は「今考えると(理事会で)報告した方が丁寧だったと思う。今後、規定の改正を検討したい」と述べた。

河原氏は日本がボイコットした80年モスクワ五輪男子95キロ級代表。同五輪95キロ超級代表の山下氏らともに「幻の五輪代表」と呼ばれた。