フィギュアスケート男子の冬季オリンピック(五輪)2連覇王者で、現在は右足首を負傷中の羽生結弦(26=ANA)がグランプリ(GP)シリーズ最終の第6戦ロシア杯(26~28日、ソチ)も欠場することが17日、日本スケート連盟から発表された。

今季初戦の予定だった第4戦NHK杯(12~14日、東京・代々木第1体育館)に続く回避で、今後は約1カ月後の全日本選手権(12月22~26日、さいたまスーパーアリーナ)を目指すことになりそうだ。

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今月4日にNHK杯欠場を発表した際、右足首を痛めたことを明らかに。診断名は「右足関節靱帯(じんたい)損傷」で、今回の欠場理由は、その「回復が遅れているため」と明記された。連盟を通じては以下のコメントを出した。

「応援してくださり、本当にありがとうございます。応援の声や想いに応えられるよう、全力で頑張っています。動きによっては痛みが出てしまいますが、日常生活では、痛みの影響がなくなってきました。まだスタートラインにはたどり着いていませんが、着実に前に進んでいきます。これからも、よろしくお願いいたします。がんばります」(原文まま)

右足首は過去に何度も痛めて苦しんだ箇所。「たった1度の転倒で、けがをしてしまい、とても悔しく思っています」と2週間前はコメントしていた。

同時に「今は少しでも早く、氷上に立つことを目指し、痛みをコントロールしながら氷上でのリハビリをし、競技レベルに戻るまでの期間をなるべく短くできるように、努力していきます」とメッセージを出し、その後も古傷の回復に努めている。

ここまで「最終目標」と公言してきたクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の世界初成功という夢も、引き続き持ち越し。当然ながらGPシリーズ2戦の獲得ポイントで出場者が決まるGPファイナル(12月9~12日、大阪・東和薬品RACTABドーム)進出はないため、国際スケート連盟(ISU)公認大会での4回転半への挑戦は、年内はなくなった(国内大会の全日本選手権は非公認)。

今季、残るISU公認大会は来年1月の4大陸選手権(エストニア・タリン)と、本人は目指すかどうか明言していないものの、3連覇が懸かる2月の北京五輪、3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)がある。その全ての代表最終選考会が年末の全日本選手権となっている。【木下淳】