高木美帆(27=日体大職)にとって自身初となる五輪500メートルの代表が決定した。

500、1000、1500、3000メートル、女子団体追い抜きと5種目で五輪に出場する。500メートルを含む5種目出場は92年アルベールビル五輪の橋本聖子以来。大会後、男子7人、女子8人の代表が発表された。湯田淳スピード強化部長は目標メダル数を男女500、女子1000、1500メートル、団体追い抜きなど複数の金を含む7個と設定した。

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究極のオールラウンダーだ。高木美がついに五輪500メートルの舞台に立つ。短距離の500から長距離の3000メートルまでの5種目出場。五輪内定選手を代表して「日本代表としての誇りを持ち」と決意表明した目は、覚悟に満ちていた。

この日は1500メートルに出場し、貫禄の優勝。500、3000メートルを含め選考会で出場した全3種目を制した。前日の1000メートルを欠場した理由について「五輪の日程を見据えて、3000メートルの後の中1日をどう過ごすかをイメージした」と、既に約1カ月余り先の五輪を想定していた。

高木美の500メートルは、平昌五輪を制した小平奈緒を肉薄する実力を持つ。一昨年同時期の全日本選手権では高木美が0秒24差で小平を破った。その小平とこの日の1500メートルは同走。「やはり小平さんと同じペアで戦うのはやる気が上がって来る」。長年のライバル同士が北京では500メートルでも相まみえる。

五輪での500メートルについて「個人的な感覚ではメダル争いにはもう一段階上にいかなきゃいけないと思っている」と述べた。先月上旬のW杯北米シリーズでも「500メートルはやはり1000メートルまでと違う滑り方というものがある」と、高い目標があるからこそ、試行錯誤を続けている。

五輪では500メートルの2日後には連覇が懸かる女子団体追い抜きがある。疲労などの影響は多少あるかもしれない。しかし、スピードスケート界でのオールラウンダーは誇り高き称号。92年アルベールビルで5種目出場した橋本聖子は1500メートルの銅メダル1つ。高木美には複数メダルはもちろん、複数の金の期待もかかる。「この上ないぐらい出し切ったというレースができるように強い気持ちで挑む」。短、中、長距離と世界でもまれな「三刀流」への挑戦が始まる。【三須一紀】

◆高木美の実績 18年3月に世界選手権オールラウンド部門(500、3000、1500、5000メートル)で総合優勝。20年3月には世界選手権スプリント部門(500、1000メートルを2本ずつ)も制した。今季W杯では1500メートルで3勝、1000メートルで1勝している。オールラウンドにこだわる理由について「大変だけど、純粋に全部速くなりたい。多くの種目にトライすることが、一番速くなる道」と話している。

◆同一五輪の女子500~3000メートルの4種目出場 過去5人(のべ8度)で、日本が女子を初めて派遣した60年スコーバレー大会の鷹野淑子と高見沢初枝が最初。64年インスブルック大会は長久保(旧姓高見沢)初枝ら3人。84年サラエボ大会から92年アルベールビル大会まで橋本聖子が3大会連続で出場。88、92年は5000メートルも含めた全5種目出場を果たし、88年は全種目で日本記録を更新し入賞を果たしている。

◆女子5000メートルと団体追い抜きで五輪を決め、3大会連続出場となる押切美沙紀(29=富士急、中札内村出身) 平昌より今の方が自分の実力上がっていると思う。さらにいいレースが出来るように五輪まで頑張っていきたい。