東京オリンピック(五輪)レスリング女子50キロ級の金メダリスト須崎優衣(22=キッツ)が25日、五輪・パラリンピックの優勝者がゆかりの地域に設置できるゴールドポストを母校の早大に移設し、都内の西早稲田キャンパスで行われた除幕式に出席した。

手続き等の関係で今年3月から新宿北郵便局に設置されていたが、須崎の強い希望で異例の移設が実現。早大の女子では初となる在学中の五輪金メダル獲得者になり「第1号になろうと高校生の時に思って入学して、しっかり大学4年生の時に達成することができて良かった。大好きな母校の大隈講堂付近という、いい景色の場所。新たな名所になれば。自分も、また試合前など大事な時に見に来たい」と笑顔を見せた。

男子では28年アムステルダム五輪の陸上男子三段跳びで織田幹雄(早大3年)が、日本人としても初の金メダルを手にしている。

“ワセジョ”初となった須崎は、このポストへの初の投函者にもなり、埼玉県に住む祖父母へ手紙を送った。

まずは五輪後の復帰戦となる6月の明治杯全日本選抜選手権(16~19日、東京・駒沢体育館)へ「私の試合は19日。そこで勝って、プレーオフでも勝って世界選手権(9月、セルビア)に行くよ」と約束した。

そして2人の体調も気遣いながら、大会2連覇を目指す24年パリ五輪へ誓いを立てた。

「パリでも必ず金メダルを取るので楽しみにしていてね」

大学は今春、卒業。地元千葉の総合バルブ製造会社キッツに入社した。人財総務本部に配属されて社内外の広報を担当。早大を拠点に練習しながら「週1回、出社して研修を受けたりしています。来月は社内報などを作る予定。会社のためにも頑張りたい」と新生活も順調にスタートさせた。

昨夏の東京大会では全試合無失点で金メダル。国内外から追われる立場になるが「またイチから、いやゼロから挑戦者としてやっていきたい。明治杯では、パワーアップした部分や組み手の崩しからのタックルを強化してきた。出稽古にも出るようになったり変化もありながら、この1カ月しっかり追い込めた。最高の状態」と自信を深め、約10カ月ぶりのマットへ戻る。【木下淳】