テニスの4大大会、ウィンブルドン選手権が開幕。女子で予選3試合を勝ち抜き4大大会本戦初出場を果たした世界ランキング139位の本玉真唯(22=島津製作所)が初出場初勝利を挙げた。同53位のタウソン(デンマーク)を4-1とリードしたところで、相手が腰痛で棄権した。日本女子が4大大会初出場初勝利を挙げたのは、16年全豪で大坂なおみが予選から本戦3回戦まで進んで以来6年ぶり。

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第6ゲーム。本玉が40-0とリードした時、相手が首を横に振った。ネットに歩み寄り、棄権の握手を本玉に求めてきた。本玉は「うれしいんですけど、やりきれていない気持ち」と、最後まで戦いたかった思いを訴えた。ただ、初勝利は初勝利だ。

相手は19年のジュニア世界女王。しかし、4月のマドリード大会を最後に腰を痛めツアーを離脱。この日も3ゲーム終了後に、トレーナーから治療を受けた。その相手に対し、本玉は持ち味の回転が少ない直線的な弾道で、低く弾む球で勝負。常に主導権を奪った。

17年にウィンブルドンのジュニアで3回戦に進出。本会場は経験済みだった。「思ったよりは緊張しなかった」。18年にプロ転向後は、19年に全日本選手権に優勝。今回のウィンブルドンは一般として初の挑戦で、初の本戦出場で初勝利と、初ものづくし。これで予選から4連勝。16年全豪の大坂を追う快進撃を狙う。「ウィンブルドンは小さいときから見てた。一番好きな大会」。聖地で輝いた。

◆WOWOW放送予定 29日午後6時50分から。30日午前0時から。ともにWOWOWライブで生放送。男女シングルス2回戦ほか。7月10日までWOWOWで連日生放送。WOWOWオンデマンドでライブ配信される。