自慢の片手側転が復活する。

GP第2戦スケートカナダ5位の紀平梨花(20=トヨタ自動車)がまた1歩、完全復活に向けて進んだ。

公式練習では20~21年シーズンから継続するショートプログラム(SP)「ザ・ファイア・ウィズイン」をかけて通しを行った。3回転ジャンプの回転が抜けるなどミスもあったが、今季は“封印”していた片手側転を披露。左足を軸に回り、右足で着氷する見せ場だ。

昨季は右足首の故障で競技会を全休。負担を考慮して避けてきたが「右足が良くなってきたので、側転も再開しました。初めは10回ぐらい『うわっ、怖っ』ってなって…。勇気を出してやると慣れた。やっぱり(片手側転が)ないと、自分の中ですごく嫌。早くやりたかった」と表現面での最後のピースが埋まった。

右足首の状態を考慮し、徐々にできることを増やしている段階で、フリーでは3回転フリップも“復活”。12月には世界選手権などの代表選考会となる、全日本選手権(大阪)を控えている。25日のSPから始まる大会に向けて「ショートを絶対にノーミスしたい。グランプリシリーズに出られることは光栄。期待以上の演技をしたいです」と笑顔で意気込んだ。(エスポー=松本航)