フィギュアスケートのアイスダンスで、今季の全日本選手権優勝や世界選手権11位の成績を残した「かなだい」こと村元哉中(30)高橋大輔(37)組(関大KFSC)が1日、現役引退することを発表した。

結成3季目の22-23年シーズンを持って競技活動から退く。

2人のインスタグラムを更新。高橋は「今シーズンをもって、競技生活から引退することを決断いたしました」とし、村元は「2人でいろいろ話し合って決めたことなんですが、明日、記者の皆さまには記者会見を開きます」と説明した。2日に記者会見とインスタライブで思いを伝える。

日本アイスダンス界の可能性を切り開いた「かなだい」が、大きな決断を下した。シングル選手として10年バンクーバー五輪(オリンピック)銅メダル、世界選手権優勝を飾った高橋は、自身3度目の五輪となった14年ソチ五輪後に1度は現役引退。18年に復帰して2シーズンはシングルで活躍し、18年平昌五輪アイスダンス代表の村元の誘いを受けて20年にアイスダンス転向を決めた。

大きな目標としていた22年北京五輪出場こそ逃したが、今季はカップルとして全日本選手権初優勝、世界選手権で日本アイスダンス過去最高タイの11位と躍進。自国開催の大舞台でフリーダンス「オペラ座の怪人」を演じ、高橋は「3シーズン組んで、ここまでお互いが納得した演技っていうのは、このオペラ座の怪人が初めてだったので、本当に気持ち良く滑れました」と感慨深げに振り返った。

実績だけでなく、アイスダンスの認知度向上など多くの功績を残し、2人が競技会に別れを告げる。【松本航】

◆村元哉中(むらもと・かな)1993年(平5)3月3日、兵庫・明石市生まれ。5歳でスケートを始める。米国を拠点に高橋と組み3季目。クリス・リードさん(故人)と組んだ18年平昌五輪は15位。162センチ。

◆高橋大輔(たかはし・だいすけ)1986年(昭61)3月16日、岡山県生まれ。8歳でスケートを始める。男子で五輪3大会出場。10年バンクーバー五輪銅メダル、世界選手権で日本勢初制覇。14年に現役を退き18年に復帰。20年にアイスダンスに転向。165センチ。

◆訂正 第2段落で「カップル活動を終了することとなった」と誤った表現がありましたので「競技活動から退く」と修正しました。おわびして訂正します。