ウエルター級で川村萌斗(新潟・開志学園3年)が初優勝した。3月の全国選抜に続いて今季2つ目、高校通算4つ目の全国タイトルを手にした。決勝は山田幸多(奈良・王寺工3年)に5-0の判定勝ち。序盤からワンツーをヒットさせ、相手のパンチはかわす完璧な試合運びだった。10月の国体では今季3冠、通算5冠達成の期待がかかる。

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思いが込み上げてきた。試合後、判定勝ちのコールに笑顔でガッツポーズをした川村はリングを下りると一転、号泣した。「神聖なリングで泣くわけにはいかなかった」。緊張が解け、感情が高ぶった。

昨年、一昨年と2連覇した全国選抜と、昨年の国体に続く、4度目の全国制覇。そして全国高校総体(インターハイ)は初優勝。決勝は完勝だった。素早いバックステップで攻撃をかわしてワンツー。3回は開始直後に得意の左ストレートでぐらつかせ、その後も立て続けにヒット。仁多見史隆監督(48)は「自分が優位になる距離、立ち位置を作っていた」。今大会4試合のうち、RSC勝ちが1つで残り3試合は5-0の判定勝ち。全試合でジャッジ全員が川村を勝者と判定した。

試合前夜、就寝前に手を合わせて勝利を祈り、お守りを握り締めた。中1の時に死んだ愛犬のトイプードル、モコの写真を持参。「明日も頑張る」と話しかけた。「やれることは全部やる」。それだけ今大会にかけていた。昨年、準々決勝で1回RSC負けした悔しさを忘れなかった。同校は21年のウエルター級増田祐士(日大2年)、22年のライトウエルター級六井和(拓大1年)と2年連続で優勝者を輩出。「途切れさせてはいけない」という重圧もあった。

この1年、自分とも戦い、無敵を証明した。10月の国体では通算5度目の全国制覇の期待が寄せられる。「自分は挑戦者」と謙虚に話す川村を、仁多見監督は「絶対王者の領域に入った」と評価した。

◆川村萌斗(かわむら・もえと)2005年(平17)6月5日生まれ、新潟・村上市出身。ボクシングは5歳から村上ボクシングジムで始める。村上東中ではバスケットボール部に所属しながらボクシングに取り組む。中3時に全日本UJ県大会優勝。178センチ。