競泳のパリ五輪代表選考会が17日、東京アクアティクスセンターで開幕する。個人種目は、五輪本番で決勝進出が見込めるラインに設定された派遣標準記録を決勝で突破し、かつ2位以内に入れば内定の一発勝負となる。実績十分の王者VS挑戦者という構図で注目される男子200メートル平泳ぎ、女子100メートルバタフライ、200メートル個人メドレーに焦点を当てて紹介。8日間にわたり、五輪日程を見据えた種目順でパリ切符をかけた戦いが繰り広げられる。
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<女子200メートル個人メドレー>
女子200メートル個人メドレーで原因不明の視力低下と向き合う石原愛依(22=auFG)が、初の五輪出場を狙う。21年秋から異変を感じ、現在は視野の7割が見えていないという。それでも昨春の日本選手権は自己記録2分12秒30で4位。「オリンピックはどの選手も特別な試合。代表権を獲得し、世界の皆さんに私の姿を見てもらって、届けられるものを届けたい」と意気込む。
視力低下が始まった当初は真っすぐに泳げず、スタート、ターン、タッチの動作に影響があった。それでも感覚を研ぎ澄まし「見えている範囲で頑張って見る努力をした」。強みは2~3番目の背泳ぎ、平泳ぎで、課題となる最後の自由形は息継ぎを見直して強化を図ってきた。
派遣標準記録の2分10秒70には1秒60差があるが「全然届かない範囲ではない。切るつもりでいる」と力強い。練習中は大好きなアンパンマンの小さなボールをプールサイドに置き「気持ちが下がりそうな時に守ってもらっています」とほほ笑む。夢舞台の切符を目指し、勇気を持って泳ぐ。【松本航】
○…東京・淑徳巣鴨高2年の成田実生も充実した調整を積んでいる。昨年の日本選手権は200メートル、400メートルの2冠。2月のコナミオープンでは自己ベスト2分10秒11をマークし「高1の夏ぶり(の更新)ですごくうれしい」と喜んだ。一方で東京五輪金メダルの大橋、急成長をみせる早大3年の松本も、ともに2分10秒07の好記録を持つ。派遣標準記録のさらに先で争うことになりそうなハイレベルなレースで、五輪切符を争う。


