5年ぶりの優勝を目指す日本(世界ランク14位)が、B組1位通過を決めた。ともに初戦白星だった31年W杯開催国の米国(同19位)に41-24で勝利。すでに準決勝進出を決めていたが、2戦全勝。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64)が掲げる「超速ラグビー」を1段階前に進め、CTBディラン・ライリー(27=埼玉)の独走トライなど個人技も光った。準決勝は15日、東京・秩父宮ラグビー場でA組2位サモア(同13位)と戦う。

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気温30度を超えた熊谷の夜、日本は旗印“超速ラグビー”の発展形を見せた。3-0の前半15分、相手陣10メートルライン付近の左ラインアウト。ロックで身長201センチのディアンズが素早く跳び、相手に競らさずに確保すると、右へ展開した。SO李が防御裏にふわりと蹴ったボールをライリーがつかみ、左隣についた同じCTBのマクカランに託した。約40メートルを1度も倒れることなくつなぎ、主導権を握るトライ。途中出場の立川主将は「ホームでテストマッチに勝つのは大きな意味がある」とかみしめた。

“超速”は単に走る速さだけではない。一例がラインアウト。ディアンズは新体制にアドバイザーで入閣したビクター・マットフィールド氏(47)の経験談に驚いた。南アフリカ代表でW杯4大会出場、世界一にもなった同氏は「代表では15年間、同じオプションとシェイプ(形)だった」。リーダーのディアンズは「シンプル。スピードで高さを出す」と動きを少なくし、速さと、質の高いリフトでのボール確保を掲げる。

前半を24-10で折り返すと、後半早々は走った。5分にCTBライリーが「暑さの中でタフだったが良かった」と自陣から加速。相手4人を振り切り、約70メートル独走トライを決めた。ジョーンズHCは「望んでいた形で進めている」と2連勝を喜んだ一方で「課題はモールの防御。簡単に失点を許した」と手綱を締めた。

準決勝は世界ランクで格上のサモア戦となる。昨夏には黒星も喫した難敵。勝ちながら、超速の進化を図る課題が待つ。【松本航】