柔道全日本男子前監督で00年シドニー五輪100キロ級金メダルの井上康生氏(47)が4日、千葉・船橋市内で、自身が取締役を務める防犯企業「ヴァンガードスミス」の柔道教室に参加した。小学生に技のかけ方などを指導し「柔道を学んで成長する姿を見られた。エネルギーをもらえた」と喜んだ。
質問コーナーでは、笑いを交えながら回答した。「どうやって強くなったんですか?」と問われると、「運動神経めっちゃ悪いんですよ」と告白。「体を使いこなす技術や瞬発力はなかった」と明かすと、驚きの声が上がった。ただ「子どものときから柔道が好きだった。その気持ちは今でもある」として、「練習だけしたら強くなれるというのは間違い。寝たり、食事をとったり、勉強をすることも大事」と語りかけた。
「この人には勝てないと思った選手」には、同五輪男子100キロ超級銀メダルの篠原信一氏(52)を挙げた。東海大2年時の98年全日本選手権決勝で対戦して敗れたが「半端なく強かった。何もできずに負けたのは、後にも先にもそのときくらい。本当に強かった」と振り返った。
自身は6月に全日本柔道連盟(全柔連)の常務理事に就任。柔道界発展のため、これまで以上の期待を寄せられる。パリ五輪があった24年度の国内登録者は、前年度比720人減の12万3839人。小学生年代は微増しているとはいえ「柔道の魅力を感じてもらえる機会。今日のような普及活動を地道にやっていきながら、柔道が世の中にとって価値のあるものであり続けられるように努力していくことが必要」と自覚した。
また昨夏は100キロ級でウルフ・アロンが7位、100キロ超級で斉藤立が5位とメダルを逃した。6月の世界選手権でも日本勢は金メダルはつかめず。重量級の再建が求められる。
「やらなきゃいけない課題はたくさんある。知恵を絞り合って、コミュニケーションを取っていきたい」と言及した。山下泰裕氏、故・斉藤仁さん、小川直也氏らの名を挙げて「重量級の黄金時代にも戻れると思う。最大限、強化の部分で努力していかなければいけない」と思いを明かした。【飯岡大暉】


