国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が新設したシーズン最終戦「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」が23日から4日間、開催される。会場は、福岡県飯塚市。同県中央に位置し、歴史と自然が息づく街で開幕準備が進められている。
男女の個人種目やパラ競技の垣根を越えた、IFSCが掲げる「共生」の理念を体現する総合大会。世界初の国別対抗戦や、国内初となる「健常者とパラクライミング一体」の開催が実現した。ともに輝く場として、最終日にはボルダー、リードとパラクライミングを融合させたエキシビションも行われる。
なぜ、飯塚市なのか。この国際大会の開催地に選ばれた背景には、長年にわたり、障がい者スポーツの振興に力を入れてきた歴史がある。地域全体で共生社会を支える、揺るぎない風土が根付いている。
象徴が、市内の障がい者活動拠点施設「サン・アビリティーズいいづか」だ。体育館や研修室などを利用し、障がい者向けのスポーツ活動や文化活動の場が提供されている。市や地元団体が主催するスポーツ大会および交流会が定期的に実施されており、障がいの有無に関係なく地域住民が交流を深める機会が創出されている。市としても「誰もがスポーツを楽しめる環境」を整備し、共生社会への歩みを加速させている。
代表的な事業として国際大会の誘致も挙げられる。特に全国的、世界的に注目されているイベントが「飯塚国際車いすテニス大会」(ジャパン・オープン)。1985年(昭60)に第1回が開催され、地域全体で障がい者スポーツを支える風土の土台になっている。
この大会は、アジアで唯一の国際テニス連盟公認スーパーシリーズ大会。世界のトップ選手が集結する、権威ある大会だ。直近では今年4月、第41回大会が「いいづかスポーツリゾート」と「筑豊緑地テニスコート」で行われ、昨夏のパリ・パラリンピックで金メダルを獲得した小田凱人選手や上地結衣選手ら、日本が誇るトップアスリートも出場し、観客を魅了した。
大会事務局は、観客数の増加を見据えて席の整備や大型映像装置の導入など、観戦環境の充実に力を入れてきた。さらに、市民が気軽に会場へ足を運べるよう無料シャトルバスの運行も行われ、今回のクライミンググランドファイナルズ福岡でも新飯塚駅と会場を往復する。
市民参加の機会が広がるとともに、多くの県民や全国からのファンが世界レベルの障がい者スポーツに触れ、感動を共有する場に立ち合うことができている。
福岡県としても、新型コロナ禍で成功を収めた体操・新体操の世界選手権(同時開催)や、パリ五輪切符を懸けたバレーボールのネーションズリーグ(VNL)などを開催。パリ五輪の前にはブレイキン(ブレイクダンス)の国際大会を招き、今年はワールドスケートボードも。さまざまな競技の誘致に力を入れる中、スポーツクライミングの新規大会も現実のものになった。
選手や観客を迎え入れる飯塚市の武井政一市長(64)は「飯塚市が障害をお持ちの方にとって優しい街として、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて、さらに魅力を高め、広く認識していただける機会であると考えている。本大会が素晴らしい大会となるよう、開催都市として懸命に取り組んでいく」とコメント。共生大会として、全員で高い壁を“登破”していく。
■大会名 IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025(IFSC NATIONS GRAND FINALE/IFSC PARA CLIMBING MASTER)
■日程 2025年10月23日(木)~26日(日)
□23日(木)午前10時30分~リード予選、午後2時30分~ボルダー予選
□24日(金)午前10時~ボルダー敗者復活戦、午後6時~リード決勝
□25日(土)午前10時~パラクライミング予選、午後2時~ボルダー決勝
□26日(日)午前10時~パラクライミング決勝、午後3時~エキシビション
■会場 筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾートザ・リトリート(福岡県飯塚市仁保8の37)


