日本バレーボール協会(JVA)の元幹部が、女子有力選手の日本国籍取得を巡り上申書を偽造しようとして処分された問題で、新たに無断で文書が作成、提出されていた事実が17日、判明した。所属チームが押印を拒否し撤回されたはずの上申書案が、担当者により実際には無断で作成が継続。協会も、法務局に提出されていたことを確認した。18日には公式サイトで「このような文書の作成を可能にしてしまったことは、協会のガバナンス体制の脆弱(ぜいじゃく)性に起因したもの」などと声明を発表した。

日刊スポーツが入手した文書には「日本バレーボール協会として、日本代表候補たる●●(実名)選手が技術力向上を目的とした海外出張命令により」などと、選手の不在期間をチーム命令による「海外出張」とする虚偽の内容が記載されていた。国籍取得条件である継続的な国内滞在を満たすための「画策」だったが、チーム側は事実と異なるとして拒否。それにもかかわらず、担当者は関係者の同意を得ないまま無断で、協会名義で提出していた。

1年後の昨年6月に、まず「案」の存在が発覚。協会は会見を開き、インテグリティ(高潔性)の観点から案を撤回、実際には「未提出だった」と説明した。案を作成したマーケティング本部長をけん責処分。国籍取得の支援をチーム幹部から頼まれた川合会長ら幹部は、給与の一部返上にとどまり、責任を担当者に押しつけた形になっていた。

それで幕引きとしたはずが9カ月後の今回、実際に提出されていたことが発覚。川合会長から「総論」として「困っていることがあれば助けてあげなさい」と伝えられていた担当者が止まれなかったという。

この上申書が提出されたことで手続きが進み、選手は24年6月17日付で日本国籍を取得。川合会長は「指示、許可をしたことはない」と否定しているが、担当者は「会長に確認の上で作成」と漏らしており、平行線をたどる。選手は、協会が代表資格(所属国協会)の国際ルール改定を「見落とす」不手際にも見舞われ、国籍取得を果たしながらも全日本登録資格がない“代表難民”状態にも置かれている。組織トップの責任を問われる大きな問題となりそうだ。