史上最大の混戦!

 「第55回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)」が2011年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点に行われる。地区予選を勝ち抜いた精鋭37チームが、県内主要都市を巡る7区間100キロで激突、駅伝日本一を目指す。新人の成長が目立つトヨタ自動車が悲願の初優勝へ向け出陣。最多優勝を誇る旭化成、21世紀駅伝王者のコニカミノルタに加え、前回優勝の日清食品グループ、東日本予選優勝のHonda、2位のカネボウ、マラソンの中国電力、調整力に優れた富士通が“8強”を形成。序盤から混戦必至で目が離せない。

 1区は混戦か。前回区間賞のカネボウ木原、トヨタ自動車九州の三津谷、旭化成の深津または大野らが区間賞候補。木原が絶好調なら10秒以上のリードを奪うだろう。

 2区のインターナショナル区間で浮上してくるのはHonda、日清食品グループ、トヨタ自動車。コニカミノルタと富士通もそれほど遅れずに続きそう。外国人不在の旭化成と中国電力が、どのくらいの遅れで踏みとどまるか。

 3区ではHondaが逃げるか、トヨタ自動車が勢いある高林で逆転するか。日清食品グループも北村のひざの状態が万全ならトップ争いに加わる。

 最長区間の4区には各チームのエースが集まる。注目はコニカミノルタの新人宇賀地と、日清食品グループの佐藤の走り。2人ともトップと20秒程度の差(約100メートル)であれば、5キロくらいで追いつくことが予想される。

 中国電力は佐藤に、旭化成は岩井か大西に、どのくらいの差でつなげるか。旭化成の宗猛監督は「4区終了時点で先頭が見える位置に追い上げたい」と言う。

 5区では“8強”のうち4~5チームが、1分の間に入ってしのぎを削る展開か。タスキをもらう位置にもよるが、トヨタ自動車の浜野、コニカミノルタの松宮隆、中国電力の岡本らに抜け出す力がある。

 6区と7区は向かい風が強く、一気に差を詰めるのは難しい。5区終了時点でトップから40秒差以内(約200メートル)につけていないと逆転は厳しい。両区間で30秒以上リードしたり、その差を逆転できるのは、選手層の厚い富士通とカネボウ、もしくはチーム内6、7番手の調子が上がっているチームか。

 4、5区で抜け出すチームが出るか、6、7区までもつれるのか。史上最大の混戦だけに、最後までもつれる可能性が高そうだ。