<高校ラグビー:東福岡17-8国学院久我山>◇3日◇準々決勝◇花園

 東福岡が花園連覇までM2とした。Aシードの国学院久我山(東京第1)を17-8と逆転で破り4強入りを決めた。後半5分にプロップ垣永真之介(2年)がトライを決め、26分にはSO布巻峻介(1年)がトライ。強豪相手に苦しむ展開も、下級生の頑張りで勝利を引き寄せた。

 相手が強ければ強いほど、秘めていた強さを発揮する。東福岡が国学院久我山を撃破して3年連続準決勝進出だ。「相手はAシード。こんなタイトなゲームをよく克服してくれた。選手にとっては最高に楽しかったんじゃないでしょうか」と谷崎監督は横綱を寄り切った選手の底力をほめた。

 この大会で初めて前半リードを許して折り返した。相手の強力FWに押されてチャンスをつくることができなかったが、後半になると、1トライ差を追う東福岡フィフティーンにスイッチが入った。前半押され気味だったFWも決して負けることはなかった。5分、ロック金本から左サイドのプロップ垣永へロングパスが渡り垣永が同点のトライ。相手FWの疲れが見えてきた終盤にはSO布巻が3試合連続のトライを決めて差を広げた。

 個人の能力の高さも大会屈指なら、下級生も上級生と変わらない活躍を見せる層の厚さも抜群だ。前年度はリザーブだった垣永は昨年3月から7カ月間、ニュージーランドに留学した。地元のカンタベリー代表に選出され、地元からの要請もあって帰国を1カ月遅らせたほどの実力者。前半にミスも出たが「悔しくて、自分で取り返したいと思っていました」とトライに笑みを見せた。

 準決勝は常翔啓光学園との対戦となった。01、02年度と連続準優勝したとき、決勝で2連敗した因縁の相手。CTB猿楽主将は「啓光は東福岡に勝っているイメージが強いので、自分たちが破ってやろうという気持ちはあります」ときっぱり。Aシード連続撃破でV2へ大きな弾みにする。【前田泰子】