<全国高校ラグビー:桐蔭学園31-31東福岡>◇決勝◇8日◇花園

 桐蔭学園の藤原秀之監督(42)は笑顔いっぱいで選手を迎えた。終盤に追いつかれて昨年の「雪辱」はならなかったが「初優勝ですからね。選手たちに感謝、感謝です」とうれしそうに話した。出場10回目、決勝進出3回目にしての悲願の日本一。「両チームの持ち味が出て、いい試合ができた」と満足げに言った。

 軽量のFWが走力でボールを確保し、BK陣が走り回る。東福岡を相手に5トライは奪われたが、5トライを奪った。85年度にWTBとして優勝した大東大一は、超大型FWが武器。決勝スコアも本郷に8-0と守備的だった。「最初は守備も考えた。でも、4強より上は攻撃的でないと。理想と現実にも悩んだが、理想的なラグビーで日本一になれた」と胸を張った。

 練習は2時間半、週1回に試験前1週間も休み。メニューの数は200を超える。「飽きさせたくないから」という。その代わり、選手の頭はフル回転。練習中、プレー選択する場面では「どうするの」の声が飛ぶ。選手は自分で考え、最善策を選ぶ。「決して答えは教えてくれない。ヒントだけ。だけど、それで頭を使うことを覚える」と、WTB竹中は話した。

 「レベルアップにはリーグ戦を」と関東高校スーパーリーグ創設に加わり、オーストラリアへの遠征やコーチ招へいで最新理論を学んだ。「協会に頼ってもダメ。新しいものを取り入れないと」。監督就任9年目にして、試行錯誤の末にたどりついた日本一。「実感はわくのは、横浜に帰ってからですかね」と笑った。