昨季、ワールドスイミングマガジンの選定する「世界最優秀スイマー」に選ばれたのがライアン・ロクテ(26=米国)だ。昨年8月のパンパシフィック選手権で、背泳ぎ、自由形、個人メドレーの計6種目を制し、世界の頂点に君臨した。甘いマスクに筋肉美でモデルとしても活躍。フェルプスと並び立つ、競泳大国・米の英雄だ。入江陵介(21=近大)とマッチアップする200メートル背泳ぎは今季1分57秒63で、世界ランク10位と振るわない。6月のサンタクララ国際大会の200メートル決勝は欠場し、その後スクーター事故を起こしたと報じられた。今月のフロリダ合宿で最終調整に余念がないが、昨年の勢いは見えない。

 持ち味の力強い泳ぎに磨きをかけるため、森林で丸太を投げて筋トレするなど、その姿はまるで映画「ロッキー」さながら。ニックネームはターミネーターならぬ「ロクテネーター」。強い背筋からのバサロキックを武器に「上海でもパンパシのような成績を残したい」と意気込んでいる。