<水泳世界選手権:競泳>◇30日◇上海

 男子1500メートル自由形予選で、宮本陽輔(20=鹿屋体大3年)が自らの日本記録を更新し、今日31日の決勝へ駒を進めた。4月の代表選考会で出した記録を0秒44上回る14分57秒12で全体7位。同種目の日本人選手としては94年の平野雅人以来、17年ぶりの決勝進出となった。

 宮本が世界歴代2位の記録を持つ孫楊(中国)に食らいついた。最初の100メートルを56秒82で入ると、その流れで追走。800メートルすぎから徐々に差を広げられたものの粘り強く泳ぎ切った。孫楊をペースメーカーにしたことが奏功し、14分57秒12で日本記録を更新。1500メートルでは平野雅人以来17年ぶりの決勝進出となった。それでも宮本は「欲を言えば、もう2秒くらい更新したかった」。途中あまりの速さに3度ほど気持ちが折れそうになったが、日本にいる仲間の顔を浮かべ「決勝に残る約束を破りたくない」と踏ん張った。

 前日に頭髪を電気シェーバーでツルツルにそり上げた。外見はこわもてだが、性格はおだやかでマイペース。2日続けての日本記録更新はなるか。新たな歴史への挑戦となるが「決勝に残ることが目標だったのでノープランです」。どこまでも無欲の大砲が、また爆発しそうな気配だ。

 ◆宮本陽輔(みやもと・ようすけ)1990年(平2)8月23日、石川県金沢市出身。金沢高-鹿屋体大。07年インターハイで400メートル優勝し、翌08年は3位。大学入学後から長距離に重点。昨年8月のパンパシフィック選手権日本代表。好物は、ご飯とスイカ。187センチ、79キロ。