<バレーボール:全日本高校選手権:古川学園2-0熊本信愛女学院、古川学園2-0下北沢成徳>◇女子3回戦、準々決勝◇3日目◇7日◇東京体育館

 11年ぶり2度目の全国高校3冠を狙う女子の古川学園(宮城)は、初戦から3戦連続のストレート勝ちで順当に4強入りした。3回戦で熊本信愛女学院(熊本)に快勝。準々決勝も、昨夏の全国高校総体初戦で第1セットを奪われた下北沢成徳(東京)につけ入る隙を与えなかった。

 古川学園が校名変更後初の高校3冠達成まで、あと2勝に迫った。08年秋の国体から8大会連続の4強入りをかけた下北沢成徳戦では序盤に5連続、中盤にも7連続得点。わずか9失点で第1セットを先取し、第2セット終盤も5連続得点で突き放した。岡崎典生監督(42)は「インターハイと国体を取った(優勝した)プライドはあるが、3冠は意識していない」「勝つことよりも、うまくなることを目標にしてきた」と、選手たちにのしかかるプレッシャーを解き放つように代弁した。

 昨春限りになった全国選抜大会では3年連続準優勝。その悔しさがバネになった。双子の姉のライト大野果歩は身長182センチ、妹のセンター果奈(ともに3年)も181センチ。リベロを除く先発平均177センチは今大会の出場校随一の高さ。岡崎監督は完成まで時間のかかる大型チームを3年がかりで作り上げた。

 3年生には高校生活最後の大会。昨秋の神宮大会優勝の斎藤佑樹(早大-日本ハム)にひっかけ、岡崎監督は「うちの選手たちも、何かを持っていますよ」と語る。前回3冠達成した99年も西堀健実・育実(ともにビーチバレー)の双子姉妹がいた。レフト山田美花と2セッターの早坂梢依、内村聖香の長野・裾花中出身コンビにとっては中学の先輩にあたる。今大会からゼッケン1番の山田は「気分がいい。絶対に勝ちます」。

 今日8日の準決勝では共栄学園と対戦する。レフト佐々木美麗主将(3年)は「センターコートの方がやりやすい。自分のやるべきことは3年間やってきたので自信を持ってやりたい」。スーパーエース大野果歩は「まだまだ自分の力を出し切っていない。これから」と自らを引き締めた。【佐々木雄高】