「和」で「個」に勝つ! センバツ高校野球2回戦が今日27日行われ、静岡が第3試合(午後2時開始予定)で大阪桐蔭と戦う。前日26日は、兵庫・西宮市で最終調整。強打者がそろう相手にはパワーで劣るも、チームスローガン「和」を基に、小技、足技、結束のスモール野球で対抗することを確認した。

 優勝候補との対決を目前にしても、静高ナインは落ち着いていた。小柳廉主将(3年)は「(大阪桐蔭は)打線も投手もいい、能力の高いチーム。守備や走塁をしっかりして、無駄な失点を防いでいきたい。チーム力で戦って行ければと思います」と話した。

 自身は24日の不来方戦で左太もも裏に受けた死球の影響で、別メニュー調整を続けていたが、出場はできそうだ。「足は大丈夫です。明日はいつも通り、自分たちの野球ができれば」。

 左腕エース池谷蒼大投手(3年)は、強めのキャッチボールで入念に感触を確かめて言った。「ボールも初戦の前よりいい感じです。相手は個々の能力が高いですが、力まずに投げたいです」。7回79球を投じた不来方との1回戦を終えた後、「7、8割の力で投げた」と言ったが、強力打線を相手に、持てる力を全て出す決意だ。

 「(昨年11月の)神宮大会では力みすぎて、早実(東京)に悔しい思いをした。そこから成長して、どれだけ通用するか楽しみです。バックを信頼して、最初から飛ばしていきたい」

 池谷をサポートする森康太朗捕手(3年)も「無駄な走者をなくし、3点以内に抑えられれば」と接戦に持ち込む構えでいる。

 データを見ても、打率や本塁打数では劣るが、四死球や犠打数で大きく上回る。「個」のパワー野球に対抗する「和」のスモール野球。侍ジャパンが、WBCで欧米の強豪国に対抗した野球こそが理想形になる。栗林俊輔監督(44)も言った。「後半勝負になると思います。いつもと変わらず粘ってつないで、積極的な攻撃をしたいですね」。目標の4強以上へ。「和」を体現する時が来た。【鈴木正章】