スーパールーキー見参!春季高校野球青森県大会(19日開幕、六戸メイプルスタジアムほか)の組み合わせ抽選会が16日、青森市内で行われた。八戸学院光星は20日の2回戦から登場し、弘前工と青森明の星との勝者と対戦する。武岡龍世内野手(1年)は、入学間もない4月の八戸地区大会から遊撃手の定位置を確保。新戦力の台頭で春優勝をつかみ、2年連続9度目の夏に弾みをつける。上位3校が東北大会(6月8日開幕、宮城)に出場する。

 すでに1年生とは思えない風格を、漂わせていた。武岡は光星の偉大な先輩の巨人坂本勇人に憧れ、徳島から八戸の地にやってきた。

 武岡 光星に来た以上、甲子園は当たり前。5季連続出場を狙う。

 入学早々、大学生との練習試合で本塁打を放って度肝を抜くと、4月の八戸地区大会は背番号13でベンチ入り。高校初公式戦となった同15日の名久井農戦では「1番遊撃」で鮮烈デビューを果たし、八戸工大一との決勝戦では2安打2打点の活躍を見せた。「打撃の調子も上がっていたし、肩にも自信があった」。野手の間を抜く広角打法と自慢の強肩に加え、50メートル6秒1の快足を誇る。走攻守3拍子で強烈な存在感を放ち、5月の八戸地区予選でも打順は下位ながら定位置を死守した。

 仲井宗基監督(47)は彗星(すいせい)のごとく現れたルーキーを絶賛した。「チームに新しいエキスを注入してくれている。こんな早い時期に1年生を試合で使うのはここ数年記憶がない」。ロッテ田村龍弘は武岡と同じ1年の4月デビューで、同じ遊撃手の阪神北條史也は同5月からの出場だった。11年夏から3季連続全国準優勝を支えた2人に並ぶ可能性を秘めている。

 武岡の視線の先には明確なイメージが広がっていた。「東北勢はまだ全国優勝していない。東北の地に優勝旗を持ち帰りたい」と強気に宣言し、続けて「夢のプロ入りを実現させる」と力を込めた。武岡のバットが、青森の新たな歴史を創造する。【高橋洋平】

 ◆武岡龍世(たけおか・りゅうせい)2001年(平13)5月28日、徳島・鴨島町(現吉野川市)生まれ。鴨島小2年から軟式野球を始め、小6からは硬式の徳島ホークスに所属し、同年にヤングリーグ全国少年野球大会で優勝。鴨島一中1年時にはカル・リプケン少年野球世界大会日本代表に選ばれ、準優勝。兄の大聖は系列の八戸学院大1年で外野手。176センチ、71キロ。右投げ左打ち。