お待たせ! 楽天の守護神、松井裕樹投手(20)が、4試合目の初セーブと初奪三振で笑った。2点リードの9回にマウンドへ。先頭に四球を与えるも、次打者で同い年の西武森からスライダーで空振り三振を奪い、後続を断った。昨季は主にチェンジアップで三振を量産。高校時代からの宝刀を決め球に復活させ、3年目も好発進を切った。

 直球に似た直線軌道が、本塁手前で外角低めへと急激に切れる。9回無死一塁、2ストライクから西武森のバットが回った。楽天松井裕の今季初奪三振は、高校時代からの代名詞スライダーによって生まれた。「その前のチェンジアップを引っかけられたのでスライダーにしました。自分的にはちょっと横すべりした感じでしたが、よかったです」。先頭に許した四球で漂う逆転ムードを断ち切った1球。真骨頂の投球で今季初セーブを挙げた。

 引き出しの増加が3年目の進化だった。嶋から出たスライダーのサインに、曲がりの小さいスライダーで空を切らせた。1年目の宝刀は曲がりが大きく、プロの打者は簡単に手を出してこなかった。そこで2年目の昨季はチェンジアップを決め球で多投。シーズン終盤には新球のカットボールも取り入れた。経験を積む中で、鋭く小さいスライダーで空振りを取れる手応えをつかんでいた。「今年まだ三振がないというのは分かっていたし、三振は自分の持ち味なので」。狙い通りに1球で仕留めた。

 選択肢の増加がマウンド上の余裕を生む。三振の場面について、嶋は「今日の直球ではどうにもならなかったのでスライダーにしました。ただ、小さく曲がる球にしたのは松井が自分で決めたもの。流れの中ですね」と振り返った。原点回帰であり、進化だった。

 守護神2年目の今季は40セーブに加え、救援失敗なし、防御率0・75以下という大目標を掲げている。則本に渡したウイニングボールを再び受け取ると、気恥ずかしそうに左ポケットにしまい込んだ。「初セーブまでは不安もありましたけど、少し気持ちが楽になりました。ボール、次は40セーブまでもらいません」。進化した20歳の守護神が、16年も楽天を支える。【松本岳志】