プロ野球巨人の渡辺恒雄球団会長(85)を企業統治の観点から批判し、球団代表を解任された清武英利氏(61)が25日、東京都内で記者会見を開き、解任はコンプライアンス(法令順守)違反を隠すためで報復措置でもあり違法、不当なものとして「そう遠くない時期に必要な訴訟を提起する」との声明を出した。
巨人の桃井恒和球団社長(64)は会見を受け「解任理由は全て正当であり、変更すべきところはないとあらためて確信した」とのコメントを発表した。
清武氏の吉峯啓晴弁護士は「(提訴に)踏み切るのは明らか」と話し、時期については「来月ぐらいになる」との見通しを示した。渡辺会長の発言や声明が清武氏の名誉毀損(きそん)に当たる可能性があるとの見方を示した。
会見で清武氏は、渡辺会長とともに一度辞任した上で常勤監査役就任を要求したとする巨人の解任理由について「(先輩に)雑談の中で言ったこと。言い掛かりだ」と反論した。11日の批判会見の直前に渡辺会長から「君は破滅だぞ。読売新聞と全面戦争になる」と脅されたことも明らかにした。
清武氏は来季のヘッドコーチ人事をめぐり、承認を受けた岡崎郁コーチの留任を渡辺会長が江川卓氏の起用で覆そうとした、として11日に内部告発した。江川氏起用の人事案について、渡辺会長から「江川なら集客できる。彼は悪名高いが、悪名は無名に勝る。彼をヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だとファンも期待するだろう。しかし、監督にはしないんだ」と狙いを打ち明けられていた、とした。ともに反論声明を出し合い、18日に巨人が清武氏の代表解任を発表した。岡崎コーチの留任は決定している。
清武氏が声明文の「まとめ」として語った内容は以下の通り。
「巨人軍及び親会社である読売新聞グループ本社に対しては、コンプライアンスの実現、すなわち、コンプライアンス違反を生じさせた原因究明とその是正、再発防止を、ファンの皆さまや読売巨人軍、読売新聞グループ本社内の心ある人々と、手を携えて求めて行きたいと思います。(中略)私は、今回の私の行動が、読売巨人軍、ひいては、プロ野球界全体におけるコンプライアンスについて見直す契機になればと切に願っています。また、私に対する解任は、コンプライアンス違反を隠蔽(いんぺい)するための、そして、報復措置としてのものであり、違法・不当なものですから、そう遠くない時期に、必要な訴訟を提起する予定です」。



