将来は赤ヘルか?

 広島は15日、廿日市市の大野練習場で入団テストを実施した。プロ入りを目指す53人が参加して実技試験に臨んだ。その中で、京都国際高・申成鉉(シン・ソンヒョン)内野手(17)がスカウトらの高い評価を受けて“合格”。10月のドラフト会議での指名を検討することになった。

 韓国からの野球留学生の申が、広島入団への道を一歩進んだ。雨天のため、会場を広島市民球場から大野練習場に変更して行われた入団テスト。合格者ゼロの可能性もある厳しいテストだ。プロ選手への夢を胸に、投手25人、捕手4人、内野手9人、外野手15人の計53人が参加した。カープの入団テスト合格は、05年の飯田宏行以来3年ぶりになる。

 1次審査は塁間走とキャッチボール。50メートル走は6秒6という申は、塁間走で上位に名を連ね、2次審査へ。野手で残ったのは7人。そこから申はノックと打撃で、他の選手との違いを見せた。「守備では両手で取る姿勢が身に付いている。打撃は懐深く手首が柔らかい」と苑田スカウト部長も太鼓判を押した。近畿地区担当の宮本スカウトは以前から同選手のマークを続けていた。

 合格の報を聞いた申は「うれしいです」と喜んだ。ソウル出身で、親元を離れ日本にやってきたが「寂しさは最初だけ。今は平気です」と笑う。取材陣の質問には日本語で対応。あこがれの選手は巨人李承燁、そして広島前田智だという。

 「シンはおもしろい」。入団テストの内容をビデオ確認した球団幹部も素材にホレ込んだ。ボールを恐れない根性、屈強な体、そして何より異国に単身乗り込む強心臓を高く評価。10月30日のドラフト会議で広島に指名される可能性が高くなった。【佐藤貴洋】