お宝グラブもあげちゃう!

 中日井端弘和内野手(34)が10日、名古屋市北区のイオン・ナゴヤドーム前店でトークショーを行い、観客動員アップに向けてのビックリ大作戦を展開することを明かした。今シーズン中には月1回、来場者に井端グッズをプレゼントする日を設定。オフには参加イベントごとに、実際に愛用したグラブを1個差し上げるというスペシャル企画。球団からチームの顔に指名された男は早速、ファンサービスでも先頭に立つ構えだ。

 ファンの熱気、そしてチームの顔としての使命感が井端を駆り立てた。トークショーの中で突然、井端が宣言した。「わかりました。今年(のシーズン後)のオフから各イベントごとにグラブを1つプレゼントします。普通の選手は3、4個くらいだと思うんですが、僕は20個以上、グラブを持っているので」。野球少年から「グラブをいくつ持っていますか?」と質問されたことが、思わぬビッグ・プレゼント企画に発展した。

 さらにトークショー終了後には「オフだけではなく今季は毎月1試合、観戦してくれた人に僕のグッズをプレゼントする日をつくりたい」と、シーズンを通して毎月1試合「井端グッズ・プレゼントデー」を設けることを明かした。本人もまだ詳細は決めていないが、例えば井端の背番号である毎月6日に、来場者の中から複数名にサインボールが当たるなどのサービスが目標のようだ。

 ファン垂ぜんの“2大企画”の裏には井端の思いがある。「こういうことは今まで球団がやってくれたけどこれからは僕から提案していきたい。ファンと触れあうことをやっていかないと。今後もイベントなどにたくさん顔を出したい」。中日は昨季、12球団で唯一、観客動員数が前年に比べて落ち込んだ。今年7日に球団日本人内野手最高額となる年俸3億円で契約を更改し、立浪に変わってチームの顔に指名された井端はまず「集客アップ作戦」の先頭に立とうというわけだ。

 球界屈指の遊撃手として6年連続ゴールデングラブ賞受賞の井端は、人一倍グラブを大切にする。グラブを湿気、型くずれから守るジェラルミンケースを球界で初めて契約メーカーに特注したほどだ。今回プレゼントすると宣言したグラブもすべて、1つ、1つ練習で型をつくって自宅に飾ってあるものだという。今オフにはトークショー、病院慰問など球団イベントに5回以上参加しており、お宝グラブの大放出は文字通り、身を削ってのファンサービス。この日も普段は無口な井端が家庭内の裏話を紹介するなどリップサービスに努めた。新リーダー・井端の改革が始まった。【鈴木忠平】

 [2010年1月11日11時25分

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