<ヤクルト8-3日本ハム>◇14日◇神宮

 大きな尻に火がついていた。ヤクルトのジェイミー・デントナ内野手(28)が、新外国人ホワイトセルが1軍練習に合流した日に、先制3ランとダメ押し2ランで計5打点の大暴れ、チーム今季初の5連勝に貢献した。デントナは1軍生き残りをかけて“別人”に変身した。

 初回の1本目は外角シュートを右翼席にたたき込み、4回の2本目は低めチェンジアップをバックスクリーンへ運んだ。技とパワーを見せつけ「今までチームに貢献できなかったが、調子がいいときのビデオを見たりして修正した」。08年に3Aで活躍したビデオを取り寄せ、勉強の成果を発揮。低迷するチームの“主犯”に挙げられていた憂さを晴らした。

 今季3度目の1試合2本塁打だが、それでも1軍残留は厳しい状況だ。ホワイトセルは同じ一塁手で、小川監督代行は「1軍に一塁の2人を残すのは現時点で考えられない。デントナが打ち始めれば別の方法も考えないといけないけど」と説明した。

 ホワイトセルとは08年、ダイヤモンドバックス3Aで一緒にプレーした。外国人枠の話になると「日本に来てくれたのはうれしい。でも、彼は彼で自分の調子を上げればいいし、自分もスタメンで出られるように頑張るだけ」と淡々と話し、通訳が訳している間にクラブハウスへ入ってしまった。2人がハイレベルな争いになれば、チーム浮上のきっかけになりそうだ。【小島信行】

 [2010年6月15日11時54分

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