<巨人7-4中日>◇28日◇東京ドーム

 坂本のサヨナラ弾が左翼へ上がった瞬間、中日谷繁元信捕手(39)はベンチへ歩き始めた。プロ野球史上8人目、捕手では2人目となる通算2500試合出場を勝利で飾ることはできなかった。うつむきながら無言で歩く選手の中、谷繁だけは敗戦を受け入れ、気持ちを切り替え、笑い飛ばした。「こういう試合もあるよ。今までも全部勝てたわけじゃないんだから」。百戦錬磨の男らしい切り替えだった。

 試合では勝利への執念をむき出しにした。投手陣をリードし、2回には四球を選び、7回には胸元に、延長11回には右足に死球を受けた。史上15人目の通算100死球。なりふり構わず勝利を追い求めた。「捕手は勝って評価されるポジション。ヒットが1本も打てなくてもチームが優勝すればそれでいい」と言う。連勝は7で止まり、首位阪神とは3・5ゲーム差となったが、谷繁の2501試合目とともに再び進撃が始まる。

 [2010年7月29日11時34分

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