<日本シリーズ:中日2-5ロッテ>◇第1戦◇30日◇ナゴヤドーム

 落合竜が投打に圧倒されて、シリーズ初戦を落とした。先発吉見一起投手(26)が3回でKOされ、打線もわずか6安打に封じられての完敗。ただ、落合博満監督(56)は前回の07年のシリーズで黒星発進から日本一になったことに触れて「じゃあ、いいじゃん。負けてから出発すれば」と、不敵な笑みを浮かべて逆襲を宣言した。

 投打に圧倒された。落合監督は会見場にやってくると、あきれたように笑いながら、完敗を認めた。

 「シーズン中に負けるような野球。個々に動きが悪いわけじゃないけど、うちの負けパターンだよ」。

 自慢の投手陣に誤算が生じた。シリーズ開幕投手はCSファイナルステージ初戦を務めたチェンではなく、吉見だった。だが、先発陣の大黒柱である右腕は制球が定まらず、3回で3失点。「悪けりゃ、あんなもんだ。あのまま投げさせていたら何十点とられたかわからない」。指揮官は3回裏の攻撃で、吉見にスパッと代打を送った。

 7割5分以上の驚異の勝率を残したナゴヤドームでは、先行逃げ切りが必勝パターンだった。いつもとは違う、追いかける展開に打線はロッテ先発成瀬に5回まで和田、谷繁の1発だけに抑えられた。6回からも相手の必勝リレーの前に沈黙した。まさに負けパターンだった。

 だが、チームにとってプラスのデータもある。前回07年のシリーズも黒星発進から4連勝で53年ぶり日本一へ駆け上がった。「へえ~、じゃあ、いいじゃん。負けてから出発すれば」。落合監督は高笑いで、07年の再現を宣言した。

 リーグ優勝からの完全制覇を目指す今シリーズ、相手は古巣ロッテだ。前日会見では郷愁の思いを消し去ったが、相手ベンチで指揮を執るのは西村監督。忘れられない思い出もある。現役時代、まだ入団したての西村内野手を世田谷区の自宅に招いた。「こいつは見どころがあるんだ」。信子夫人を同行させた北海道遠征ではともに家族ぐるみでジンギスカンを食べた。まだ子供がいなかった落合夫婦は、子供ができなければ、ロッテの有望若手選手を養子にする計画を立てていた。その中の1人が西村内野手だったという。

 そんな思いを封印し、勝負の鬼となって勝ちにいく日本一への挑戦。1敗ぐらいで沈んではいられない。「だれが使えて、だれが使えないのか明日、考えるよ。状態の悪いやつをいつまでも使うこともないだろう」。最後は打線のてこ入れを示唆し、不敵な笑みを浮かべて去っていった。【鈴木忠平】

 [2010年10月31日11時9分

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