<日本ハム3-2中日>◇9日◇札幌ドーム

 落合竜が痛恨の逆転負けを喫した。2点リードの8回、そこまで無失点の先発吉見一起投手(26)が1死満塁とされるとセットアッパー浅尾拓也投手(26)を投入。頼れる右腕は糸井に2点適時打、中田に勝ち越し犠飛を浴びてあっという間に逆転された。敵地で日本ハムに2連敗した落合監督は暗に追加点を奪えなかった打線を嘆いた。

 残酷な結末だった。8回1死満塁、浅尾のフォークが糸井のバットにはじき返された。同点打が中堅左へはずんだ。続く中田の左犠飛で逆転を許すと、浅尾は天を仰ぎ、ベンチの吉見は宙を見つめていた。最も信頼する2人のリレーで痛恨の逆転負けだ。

 勝利への流れが暗転したのは8回1死からだった。そこまで3安打無失点の先発吉見が連打で一、二塁のピンチ。ここで森ヘッドコーチがマウンドにきた。

 「上を目指すには1人で投げ抜かないといけないと思って『いけます』と言ったんですが…」。

 前日にはダルビッシュの快投を見せつけられていた。大黒柱としての意地が吉見に続投を直訴させた。だが、続く陽岱鋼の内野安打で満塁となると落合監督も決断せざるを得なかった。絶対的セットアッパー浅尾を投入。最後までマウンドに未練を残した吉見の思いも背負った浅尾だが、1度失った流れを取り戻すことはできなかった。

 「あそこで踏ん張らないといけないですし、自分のせいです。吉見が頑張っていたんで…」。

 浅尾はうつむいた。チームを支える2人がそれぞれ自分を責める姿は痛々しかった。そんなやるせない敗戦に落合監督が明確な答えを出した。

 「浅尾?

 何が浅尾だよ。ピッチャーはよく投げてますよ」。

 投手に責任はない。10安打を放ちながら得点は4回の2点のみ。6回無死一、三塁、7回1死二塁で1本出ていれば、悲劇の結末は避けられたかもしれない。リーグ2位につける落合竜、歯車はまだかみ合っていない。【鈴木忠平】