<ヤクルト0-8西武>◇15日◇神宮

 西武浅村栄斗(ひでと)内野手(20)が、プロ初の4安打で3打点を稼ぐ大暴れをした。1、2打席目ともに左前打を放つと、5回には左越えの3号2ランと、先発の西口を援護した。セ・リーグ首位のヤクルトは完敗で、交流戦の勝ち越しがなくなった。

 原点のフルスイングでトンネルを抜けた。5回2死一塁、浅村の打球は文句なしで左翼席に飛び込んだ。ホームベースを踏むと、出迎えたコーチのハイタッチに雄たけびで応えた。いかにも今風の若者というドライな20歳。珍しく感情をむき出しにしたのには訳がある。開幕から打ちまくっていたバットが交流戦に入ってわずか3安打。打率7分3厘と湿り、2回に放った左前打が22打席ぶりのヒットだった。「今日ダメなら見切られる。もう1度自分の開幕だと思って臨みました」と自らを奮い立たせてゲームに入っていた。

 不調の最大の原因はコンディションにあった。昨年1軍出場30試合という浅村にとって、日々蓄積する疲労は予想以上。6月、久々に会った黒田2軍内野守備走塁コーチには「お前、痩せたな」と驚かれたという。体重が減って体のバランスが崩れ、スイングのキレが鈍くなる悪循環。それが本塁打の打席では、3球目の高め直球を豪快に空振りしたが重心がぶれなかった。出場機会が減少したことで、逆に疲労のピークからは脱しつつある。

 技術的な裏づけもあった。この日はすべてのストライクを打ちにいったように、ストライクなら何でも振る超積極打法と思われがちだが、実は違う。「間が合わなかったらストライクでも振らない。開幕のころはできてたのが最近できなかったけど、今日はできた」。プロ初の4安打に「今までのきついことが吹っ飛んだ。4安打はだいぶデカイっすよ」とはにかんだ。再び充実しつつある心技体。レオのマン振り男はまだまだ新人王レースを盛り上げる。【亀山泰宏】