<巨人3-2広島>◇11日◇東京ドーム
やっぱり頼りになるぜ、ヨシノブ!
巨人高橋由伸外野手(36)が、2-2の9回2死一、二塁から中越えに自身8年ぶりのサヨナラ打を放ち試合を決めた。中1日で先発した東野峻投手(25)が、6回2失点で降板。追う展開となったが、8回に追いつくと、9回に14年目のベテランが広島の守護神サファテを打ち砕いた。貯金3。明日13日からは6連敗中の横浜と対戦する。
プロレスみたいに、由伸が舞った。8年ぶりのサヨナラ打!
体を貫く興奮から、思わず長野に叫びながら、ジャンピングニーパットを決め込んだ。9回2死一、二塁。広島の守護神サファテの147キロを打ち砕いた。
サヨナラ打は、03年7月6日以来、8年ぶりだ。この日出場メンバーで、そのサヨナラ本塁打を知る者は阿部、久保の2人のみ。久しぶりの歓喜の味を「そういうのは全然縁がないと思ってましたけど、今日は打てて良かったです。本当にうれしいです。ちょっと先でしたけど、前進守備なので抜けると思った」と、しみじみとかみしめた。
電撃的な興奮を生んだのは、プロ14年の経験から編み出した静かな心境だった。生え抜き最年長のベテランは、緊迫した場面での打席の入り方についてこう話す。「緊張はしないよ。打席に入る前、どういう状況で、どういうバッティングをすればいいか考えてるんだよ」と、イメージを膨らませて打席に向かう。この日も最終打席で、サファテが剛速球投手と見るや、通常よりバットを短く持ちファーストストライクをスイング。ファウルとなり、「力んでいた。もっとコンパクトに」と、さらに意識を強めた。積み重ねた経験から生まれたものだった。
後半戦から5番に定着し、4番も6試合務めた。持病の腰痛もあり、入念なケアを必要とする日々は続く。「元気がない」と原監督から指摘され、休養を与えられることもあった。しかし「まだ本調子ではないけれど、前線で戦ってもらわないといけない人だからね」と、原監督は由伸の技術を必要としている。混戦が続く中での試合に、「僕自身はあまり(重圧を)意識することなく、いつも通りにしないといけないと思ってます」。どんな状況でも「平常心」を貫き、背中でチームを引っ張っている。
相手の守護神を打ってのサヨナラ勝ち。4番ラミレスは途中交代となったが、「一番真っすぐに強い、ウチのチームの中で一番強い打者ですから、期待しましたね」と、高橋由を最後まで残した原監督の思惑通りだった。残り29試合。「先のことは考えられない。1日1日1試合ずつ戦っていくしかないです」と、必死な姿勢を見せ続ける高橋由。ベテランらしい言葉で締めくくった。【斎藤庸裕】



