広島永川勝浩投手(30)が7日、守護神のデニス・サファテ投手(30)にライバル宣言した。広島・廿日市市内の大野練習場で練習。連日のブルペン投球を行い、理想的な下半身の体重移動などを追い求めた。通算164セーブの実力者も最近2年は不振。自身の定位置だったクローザーを務めるサファテに挑み、復権を目指す。

 ピンと張り詰めた空気が閑散としたブルペンを支配した。ただ1人、永川勝が黙々と投げる。左足をグイッと高く上げる独特な投球フォームではない。左足をほとんど上げず、ゆるやかな流れで右腕を振り切る。ビデオ撮影する念の入れよう。悔しさがある。意地がある。かつてのクローザーには不退転の覚悟がある。

 永川勝

 首脳陣は来年もサファテが抑えだと考えていると思う。いい投手ですが、サファテを上回る成績を残さないといけない。誰が見ても「永川のほうが上だ」と言われるくらいにならないと、このオフのチャレンジは失敗だと思う。

 昨年から2シーズン連続で不本意な結果に終わり、来季もサファテを守護神で起用することは確定的だ。かつて自らが君臨した地位に固執しない。今季、57試合で35セーブ、防御率1・34の成績を収めた助っ人をあえてライバル視。好投手をしのぐ内容を目指す。

 今オフのテーマは「剛球復活」だ。連日、ブルペン投球を重ね、下半身主導の投球フォームを模索する。11月下旬まで徹底的に投げ込み、右足から左足への体重移動や左肩の開き具合などをチェック。パワーを最大限に伝えるため、理にかなった動きを追い求める。

 永川勝

 内転筋を痛めてから、しっかり足を使えていなかった。ここ2年間くらい、悪い癖がついてしまっていた。

 昨年4月中旬に右足内転筋を負傷し、通算164セーブの球団最多記録保持者が絶不調に陥った。痛みが癒えた軸足に体重は乗りきらず、投球動作のバランスも狂った。150キロ近い剛速球は影を潜め、直球が140キロ前後しか計測しないこともあった。これまでの投球動作を見直し、一新して作り直す過程なのだ。

 永川の好、不調時を把握する小林2軍投手コーチは「もともと、上体の強さで投げる投手だけど、荒々しさだけじゃなく、下半身を連動したフォームにする方が効率もいい。正面を向いて投げるような感じで、打者から(球のリリースが)見やすくなってしまう面もあった」と説明した。練習相手の青木3軍コーチも「下半身の力が加われば、もっと力も伝わると思う」と話す。落差の鋭いフォークも、球威たっぷりの直球があってこそ生きる。「サファテに負けん」をモットーに、土台作りに専念する。【酒井俊作】