<ウエスタン・リーグ:オリックス0-10阪神>◇28日◇北神戸

 虎投の未来は明るいぞ-今季2度目の変則ダブルヘッダーで阪神2軍が2勝した。公式戦だったナイターに先発した阪神秋山拓巳投手(21)は約2カ月ぶりの先発勝利。不調からの脱出を感じさせた。先駆けて行われた練習試合でドラフト4位伊藤和雄投手(22=東京国際大)がプロ最多の107球。6回を被安打3で無失点に抑える好投を見せた。

 会心の脱出劇だ。15日以来の先発マウンドに立った秋山が真っすぐを軸にスライダーを決めていく本来のピッチング。オリックス打線を相手に被安打6、12奪三振で8回まで0封の快投を演じた。

 「今日はやっとボールを長く持つ投げ方ができましたね。下半身の粘りも出てきましたし。浮く球もなかったですね」

 先発登板を飛ばされ、中継ぎ登板した23日に白星をマークしているが、先発登板では実に6月23日以来の勝利だった。これがチームトップの5勝目というおまけもついた。

 落ち込みが長かった。6月までファームでまずまず順調に投げ、7月にヤクルト戦で念願の1軍初勝利。しかし再び2軍に来てからは不調が続いた。実に先発で5連敗。15日に3回で4失点したときは中西2軍投手コーチに「試合で投げる状態じゃない」とまで言われた。

 この間、本人も「気持ちは真っ暗ですね。何をしていても楽しくない」と元気のない様子。それでも走り込みを続け、股関節を鍛え、復活を目指した。

 「今日は右足を使えていたな。でもこのぐらいは投げないと」と中西コーチも笑顔。吉竹2軍監督も「ようやくだね。真っすぐが低めに決まっていた。こうでないと。これで何かつかんでくれれば」と期待をかけた。二神、岩本、さらに歳内と若手台頭の中、その本命となるために秋山が再び歩みを始めた。