<日本ハム1-0ソフトバンク>◇14日◇札幌ドーム

 日本ハム吉川光夫投手(24)が2試合連続で9回を投げきった。8回に1点のリードをもらって迎えた9回。「あとは僕が抑えるだけ。打者1人1人に集中して投げようと思いました」。最後の打者を投ゴロに仕留めると、笑みを浮かべた。2安打9奪三振で自身2度目の完封勝利。防御率トップを争うソフトバンク大隣との投手戦を制し、後半戦負けなしの6連勝だ。

 吉川の魅力は常時140キロ台後半~150キロを超える直球だ。2回、4番ペーニャに対して速球王のスイッチが入った。変化球で空振りを取った後の2球目は、150キロの直球。続く3球目、この日最速の151キロでファウルを打たせて、最後は裏をかくスライダーで見逃し三振に切った。7回は、147キロの直球で見逃しの3球三振。時折投げる変化球は、真っすぐを生かす“スパイス”となり4回以降は無安打に抑えた。

 投手戦を演じた大隣とは、浅からぬ縁がある。広島・広陵3年の時だ。プロから声がかからなかったら、近大へ進学する予定だった。「大学の練習参加の日に、高校の監督に言われたんです。『大隣の真っすぐを、しっかり見てこい』って。当時のトナリさん(大隣)の真っすぐは今より球速もあったし、僕が見てきた中で一番すごかった」。

 8月31日の対戦では“痛み分け”に終わった、4歳上の左腕との対決に勝った。それでも「満足してしまったら、僕の成長がなくなってしまう。常に追いかけていかないといけない」。自身に言い聞かせるように、きりりと口元を結んだ。【中島宙恵】