合言葉は「打倒巨人」-。阪神が18日、リーグ再開へ向けて、甲子園球場で全体練習を行った。交流戦を終えてから初めて全員が集結した場で、和田豊監督(50)は演説を行った。巨人に追いつき、巨人を追い越す。宿命のライバルを存分に意識した異例のメッセージで選手たちを奮い立たせた。
和田監督の頭には、はっきりと目標が描かれていた。午後1時、真夏のような日差しが照りつける甲子園の芝生、そこに虎戦士たちが集まった。わずか1日の休養を経て、リーグ再開へ向けての再集合だ。輪の中心に立った和田監督は真剣な表情で語りかけた。報道陣の待機場所から聞き取ることはできなかったが、関係者によれば、以下のような内容だったという。
「オールスターまで残り22試合、巨人に離されないように。巨人より上にいけるように。打倒巨人で頑張ろう」
演説のすべてではないが、キーワードは「打倒・巨人」だった。交流戦前に1・5ゲームだった差は2・5ゲームに広げられた。一時は首位に立ったが、昨季王者も黙ってはいなかった。交流戦を4連勝で締めくくって、首位を奪い返された。7月2日からはリーグ再開後最初の直接対決が待っている。
下を見れば、3位広島まで8・5差離れている。ここからは一騎打ち。巨人を倒さなければ、優勝はない。伝統の一戦はこれまで以上に緊迫したものになる。だからこそ、指揮官も「巨人」という言葉を何度も使ったのだろう。
練習中の動きも精力的だった。2軍から1軍に合流したばかりの新井良に守備、打撃練習ともに付きっきりでアドバイスを送った。
「元気になってきたな。心のキレと、頭のキレが出てきた。技術的なことは1週間でうまくはならないけど、ファームに行く前はいろいろなことを抱え込んでしまっていた。なにしろ元気よ。彼の場合は。持ち味を消しちゃあ、だめだ」
練習後には新井良に持ち前の元気が戻ってきたことに笑顔を見せた。投手では“Gキラー”の異名を取る榎田が2軍戦で好投した。役者も徐々に戻ってきた。いざ、G倒の夏へ。指揮官の号令によって猛虎が再スタートを切った。【鈴木忠平】



