<オープン戦:西武1-1阪神>◇16日◇西武ドーム

 目覚まし鳴ってるよ!

 春の日差しが降り注いだ狭山丘陵で、猛虎は気持ち良く眠っていた。8回まで、わずか4安打で無得点。9回に阪神大和外野手(26)の適時打で追い付くのが、やっとだった。負けない虎は勝てない虎でもある。すでに負け越しが決まったオープン戦は、1勝8敗で3つ目の引き分け。チーム打率は12球団最低の2割2分4厘で、なかなか最下位を抜け出せない。

 和田監督

 もうちょっと点数が入るケースをつくっていかないと。チームの雰囲気が上がってこない。個人差もあるので上り調子もいれば、調子が上がってこない選手もいるけど、あと10日しかないので。

 キーマンの低空飛行が続く。4番マートンは3試合連続の無安打。7番福留は2打席連続の空振り三振など、打率1割6分0厘と沈む。「もうひと息やな」と首をひねる指揮官も、復調を待つスタンス。「ここからは打席に立たせないと、上がってこないから」と残り最大6試合の実戦で、ペースアップへの鍵を見つけさせるしかない。

 鳥谷がいない。ゴメスもいなかった。開幕まで2週間を切った。主力不在の言い訳も、もう「春眠暁を覚えず」とは言えない時期になった。今日17日には待ちに待ち過ぎた「4番候補」が合流する予定。開幕からゴメスという軸ができる見定めながらも、三塁新井や1番鳥谷の実現も追っていく。春休みの宿題は、たっぷりある。そろそろ起きないと、間に合わない。【近間康隆】