今季限定の特別企画が「3番投手大谷」を後押しする。日本ハム栗山英樹監督(52)が、交流戦での大谷翔平投手(19)の起用法について検討中のプランを明かした。今季、野手出場時は3番打者として活躍している大谷を、DH制のない交流戦の登板時にも、3番で起用することを示唆。密接に関係しているのはリーグ間でDH制を入れ替える、交流戦10年目の特別企画だった。

 「エースで4番」。その大目標へ一歩近づくことになる。今季の交流戦で「3番投手大谷」が実現しそうだ。栗山監督は「そこはいろいろ考えている」と検討を重ねているが、前向きであることを明かした。理由の1つが、今季限定で採用される特別企画だ。

 交流戦10年目の企画として、例年とは逆にセ主催試合でDH制を採用。一方、パ主催試合では、投手が打席に入ることになった。つまり、大谷が投手で打順に名を連ねるのは、今年に限っては主催の札幌ドームで、チームは後攻となる。これが、ミソ。栗山監督は「まずは投手が大事。0点に抑えれば負けないんだから。(打席よりも)先に投げるから、大丈夫かなぁと思っている」と話した。

 通常であれば、DH制がないのはセ主催試合であり、チームは先攻。初回に必ず打順が回る3番で起用すれば、マウンドに上がるよりも先に打席に立たなければいけない。試合前の準備、調整の面から考えてもそれではリスクが高かった。だが今季だけは、特別企画が「3番投手大谷」を後押ししてくれるわけだ。

 打者・大谷は今季、スタメン11試合をすべて3番で出場し、打率3割9分1厘と規定未満ながらリーグ2位相当の好成績を残している。23日ソフトバンク戦では初アーチもマーク。登板予定の27日ロッテ戦(札幌ドーム)へ向け、今日25日の同戦(同)からは欠場する見込みだが「1試合1試合頑張りたい。(ロッテには)こないだ負けているので、大事になると思います」と、今度は「投」で貢献することを誓う。その先には、「投+打」で暴れる歴史的な一戦が待っている。【本間翼】

 ◆大谷が投手と野手の両方で出場した試合

 昨年は2試合あった。6月18日の広島戦で「5番投手」で先発。投手としては4回3失点で勝敗は付かず。5回の守備からは右翼に入り、9回に代打を送られたが、打っては3打数1安打1打点。8月19日のソフトバンク戦では「5番右翼」でスタメン出場し、5点ビハインドの8回からは4番手としてマウンドへ上がった。野手では4打数1安打、投手では1回1安打無失点に抑えた。