10月27日のドラフト会議で日本ハムに1位指名された東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)が7日、初めて日本ハムの指名あいさつに応じた。神奈川・平塚市内の野球部合宿所で約1時間、指名に至った経緯などに耳を傾け「疑問に思っていたことが聞けてスッキリした」と、交渉解禁後初めて口を開いた。進路決定については現時点での白紙を強調。しかし、1年間の浪人を経て巨人入りを目指すことは決定的で「(選択肢は)まだお答えすることはできないです」と表情を引き締めた。

 日本ハムとの交渉解禁後、菅野が初めて心中を明かした。横井人輝監督、宮崎康文部長とともに指名あいさつに出席。約1時間の“初対面”を終えると「どうしてリスクを背負ってまで自分を指名してくれたのか。疑問に思っていたことや聞きたいことが全部聞けてスッキリしました」。異例の報道陣約100人、テレビカメラ9台が並ぶ前で、堂々と口を開いた。

 日本ハムはドラフト会議翌日の28日にも大学を訪れたが、菅野は授業で欠席。2日の関東地区大学選手権敗退で公式戦全日程を終え、自ら「話を聞く態勢はできています」と申し出て実現した2度目の指名あいさつだった。1年間浪人し、再度伯父の原辰徳監督(53)率いる巨人入りを目指すことは決定的とみられる。しかし「自分が思うよりはるか上の評価をいただいた。素直にうれしい」と、まずは1位指名に対する感謝を伝え、礼を尽くした。

 一方で、進路決定については慎重姿勢を貫いた。「今日この場に立つ前から、フラットな気持ちで聞くと決めていました。今もフラットです」。事前に1位指名のあいさつがなかったことから、誤解やわだかまりもあると思われていたが、一切の偏見を捨てて席に着いた。進んで質問することはなかったものの、得た情報を冷静に、決断のための材料とするつもりだ。

 だが平静を装って話していた菅野が1度だけ、顔をこわばらせた瞬間があった。進路に関して、現在考えている選択肢を問われた時だ。一瞬の間をおいて「それはまだ、お答えすることはできないです」と早口に答えた。そしてプロについて「入るだけじゃダメだと思ってます。目先のことだけじゃなく、その先の野球人生のことも考えて選択するのが重要」とも話した。

 今回の面会はあくまで礼儀上のあいさつであり、入団交渉には至っていない。今後も日本ハムと会う場を設けるか、との問いに菅野は「分からない。聞きたいことは今日全部聞けたので」と答えた。「それぞれの選択肢のメリット、デメリットを考えて決断する。11月いっぱいはしっかり考えたい」。体育学部のトレーニング設備を使えるよう東海大大学院に進学するなど、まだ検討できる道もある。入団拒否の方向で心は決まっているとみられるが、正式に表明する時までもう少し時間をかける。【鎌田良美】