10月1日に国技館で営まれる第58代横綱千代の富士(前九重親方)のお別れ会で、今では入手困難となった「出世絵番付」が販売されることになった。入門から引退まで、その時々の50人の千代の富士が並んだもので、普段は地元、北海道・福島町の千代の山・千代の富士記念館でしか手に入らない。千代の富士の引退直後に数千部刷られたきりで、在庫は残りわずかだったという。

 九重部屋ファンクラブに「記念になるものがほしい」と依頼が相次ぎ、大相撲錦絵師の木下大門さんが版下を引っ張り出し、数量限定で復刻した。元々は畳んで販売していたが「絶対に折り曲げないように。曲げると千代の富士に失礼」と、節目にあたり専用の箱も用意した。他にも、記念館以外ではお目にかかれない特別セットの販売も考えているという。

 ファンクラブ代表の坂本亜希さんは「記念になるものをと思って。私たちは親方命でやってますから、喜んでいただけたらうれしい」と、来る日に向けて準備を進めている。【桑原亮】