井上兄弟のいとこ、井上浩樹(こうき、24=大橋)が、ヘリ・アンドリヤント(インドネシア)との65キロ契約8回戦で、2回TKO勝ちした。

 序盤からサウスポーの左ストレートを相手顔面に見舞うと、左ボディーなどもヒット。2回に、右アッパーや左フックなどでダウンを奪うとレフェリーストップとなった。

 アマ5冠の実績で昨年12月にプロデビュー後、5戦5勝(4KO)とし「今日は中盤あたりで倒せればいいと思っていた。たまたまパンチが当たっちゃった。もう少し、いいところを見せたかった」。デビュー3戦はいずれも1回KOで、6月の4戦目では韓国選手相手に初の判定勝ちで、スタミナ不足も味わった。長期戦の試合経験を積みたかっただけに、勝利にも消化不良だった。

 先にプロデビューした井上尚弥、拓真とは一緒に練習する機会も多い。「怪物、モンスターですね」と現時点での力差が感じているが、「頼りがいがある」と自身の成長に向けて大きな存在であることも強調した。トレーニング法や、食事法などは常に話をしながら吸収し、参考にする。前夜の計量後に焼き肉を食べたのも、その1つだ。

 今後は日本王座や東洋王座を最初の目標に掲げた。今試合はガードを固めず、ジャブや足を使って回り込みながらパンチを放つことも実戦で経験したかったが、試す場も少なかった圧勝劇。「課題は12ラウンド動けるスタミナと気持ちの強さですね」。尚弥、拓真に続く「井上家3人目」として、強さの片りんは示した。