<プロボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇17日◇後楽園ホール◇2050人

 日本スーパーフェザー級王者矢代義光(28=帝拳)が、引き分けで辛うじて2度目の防衛に成功した。試合前に腰痛で10日ほど練習を休んだ王者は、同級1位三浦隆司(24=横浜光)に2度のダウンを奪われるなど大苦戦。右ジャブの連射で何とか終盤にポイントを奪い返した。ジャッジ3人の採点は1人が三浦を支持していたが、2人がドローで引き分けに終わった。矢代はこれで21勝(12KO)2分け。三浦は15勝(13KO)1敗2分けとなった。

 そろいの赤いTシャツを着た約600人の地元応援団に、矢代が拳を突き上げることはなかった。「おめでとうではないです。遠いところから来てくれたのに…」。反省の弁が口を突いて出た。5回に右フックを受け、足が絡むようにしてダウン。7回には、ボディーに受けた左フックの衝撃が腰に響き、再び倒れた。「もう歩けなくなってもいいや」と開き直って迎えた最終回、右ジャブが三浦の顔面を次々ととらえると、腰痛を忘れて反撃に集中した。04年に左手首を粉砕骨折。1年以上のブランクの間、磨き続けた右で、試練を乗り越えた。