西十両11枚目の若の里(39=田子ノ浦)が、西幕下4枚目の出羽疾風(26=出羽海)に寄り切られて、9敗目を喫した。差し手争いに敗れてもろ差しを許すと、相手の両腕をきめにかかるが、揺さぶられて土俵を割った。

 「連日、勝てるかなというところまでいくんですけど。最後、勝ちに持っていけないですね。気持ち的にはまだまだ勝ちたい気持ちがあるんですけどね。気持ちはあるんですけど、体が言うことを聞いてくれない」と、思うように動かない体を嘆いた。

 十両残留には6勝が必要で、ついにもう1敗もできない状況まで追い込まれた。だが、若の里はもう1度、気力を振り絞った。

 「9敗目ですけどね。まあ、ただ9敗ですけど、あと3つ勝って6勝9敗だったら、まだ(十両残留の)可能性がゼロじゃないですから。まだ、9敗ですから。まだまだ」と自らに言い聞かせるように話した。

 両膝痛にも負けず連日懸命の相撲を取るベテランに、館内の声援は日に日に増している。「同情の拍手ですかね。だっはっは」と苦笑しつつ「毎日ありがたいですね」と、後押ししてくれるファンに感謝した。

 運命の残り3日間へ。自らの引き際の哲学も語った。

 「厳しいのは厳しい。今日も幕下との入れ替え戦と言っていい取組に負けてますしね。厳しいのは厳しいですけど。いろんな引き際が、みんなそれぞれあると思う。本当は今日決断してもおかしくないわけだから。いろんな引き際があるけど、自分は最後の最後までしがみついて、何とかね。余力を残して引き際を決める人もいるけど、自分はその逆。最後の最後まで、もう相撲を取れないというくらいまでやって。最後は決断しなきゃいけないと思うけど、まだ残り全部勝てば可能性はあるわけだから。少ない可能性に懸けて、3日間やりたい」と決意を示した。

 24年目の土俵人生で、残り3日間に臨む緊張感は「最高」という。「ギリギリのところに来てますからね。もう負けられない。もう1つも負けられない。負けたら終わりのトーナメントのつもりでやりたい。いよいよ来たね。ハンパじゃない緊張感だな、明日からは」。支度部屋を出る間際には、92年春場所初土俵の同期、40歳の幕内旭天鵬と力強く握手を交わした。「まだまだ、あきらめませんよ。往生際悪いから」。歴代7位通算913勝のレジェンドは、気力を振り絞って前を向いた。