大相撲の幕内力士で元関脇の旭天鵬(40=友綱)が27日、名古屋市内の宿舎で現役引退を表明した。師匠の友綱親方(元関脇魁輝)と同席した旭天鵬は「私の23年半の相撲人生を引退することになりました。現役をやってる間はファンの方々や、元大島親方や、部屋の方々、いろんな人にお世話になって、ありがとうございました。教える側になるので、持っているものを教えていきたい。今後ともよろしくお願いします」とあいさつした。

 会見中、長女柚希ちゃん(6)の話になると、涙がこぼれ落ちた。まだ引退について具体的に話をしていないそうで「もう小学生なので、いろいろ分かってるんじゃないかな。ゆっくり話はできなかったけど、これから話はします」と涙ながらに話した。

 思い出の一番には、優勝した12年夏場所の栃煌山との決定戦を挙げ「あれでいろんな人に知ってもらえたし、あの優勝は僕を成長させてくれた」と感慨深げに語った。

 今後は年寄「大島」を襲名し、部屋付き親方として後進を指導する。「たくさん拍手をもらえるような力士、たくさん応援してもらえるような力士を育てたい」と、涙が乾いた目を輝かせた。