東前頭12枚目の勢(28=伊勢ノ海)が、平幕唯一の1敗を守った。同6枚目の安美錦(36)を小手投げで破り8勝目。9日目での勝ち越しは昨年夏以来8場所ぶりだ。東西升席ではゴルフの元賞金女王不動裕理、森田理香子ら女子プロ選手4人が観戦。ゴルフ好きの関取らしく、声援に応えた。照ノ富士(23)は9連勝で単独首位を守った。

 豪快な300ヤードショットを放つように、勢が体を回して右腕を振り抜いた。力強い小手投げで安美錦を転がした。1敗を死守して勝ち越しを決め「落ち着いて反応できた。思い切りできてるんで」とうなずいた。

 熱い視線を感じていた。西の控えから、ちょうど対面の東升席にゴルフの賞金女王不動裕理と、若手の比嘉真美子の姿が見えた。「来てましたね」と勢。実は、背中側の西の升席にも、森田理香子と原田香里がいた。4人合計ツアー66勝の豪華メンバー。中卒後はプロゴルファーを目指すか、角界入りか迷ったほどゴルフ好きな勢だけに、燃えないはずはなかった。

 女子プロ軍団も勢の相撲に大興奮だ。初観戦の森田は「勢関が格好良かった。めっちゃ楽しい。また来たい」と笑顔。勢のファンで友人の比嘉も「すごい投げでしたね」と大満足。国技館の外へ出る勢を出待ちして白星を祝った。

 勇気づけてくれた女子プロは、まだいた。観戦はしてないが、20日終了の下部ツアー・山陽新聞杯で初優勝した新人の岡山絵里は、同じ大阪・交野三中出身。勢も「1回会ってみたい」と注目する地元の後輩からは、好運気をもらった。

 今日10日目は、遠藤と対戦。取組相手は当日まで耳に入れないが、支度部屋を出る直前に耳に入ってしまった。「あわわ」と一瞬慌てたが「予感してました。そんなん気にしてるようじゃダメなので」と、すぐに気持ちを切り替えた。先場所まで悩まされた左肩痛も、血と水を抜く処置を受けて良化。気分良く、人気者対決に臨む。【木村有三】