大相撲の東大関稀勢の里(30=田子ノ浦)の横綱昇進が初場所千秋楽の22日、確実になった。21日に初優勝を決めていた稀勢の里は千秋楽で横綱白鵬に勝って14勝1敗の好成績で終えた。日本出身力士として1998年の3代目若乃花以来19年ぶりの新横綱誕生となる。

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、昇進を審議する臨時理事会の開催を審判部から要請され、受諾した。理事長が23日の横綱審議委員会(横審)で諮問し、推薦が得られれば、25日の春場所番付編成会議後の臨時理事会で「第72代横綱稀勢の里」が正式に誕生する。

 横審の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は「(委員の)反対はないと思う。今場所の相撲を見れば、2場所連続優勝か、それに準ずる成績というものに合致する。技量は抜群。国民に尊敬される大横綱になってもらいたい」と述べ、昇進に支障はないとの認識を示した。21、22日に直接会った複数の委員も賛成の意見だったという。

 番付編成を担う審判部の二所ノ関部長(元大関若嶋津)は「昨年は年間最多勝という実績があり、今場所も優勝を果たした。(審判部の)全員が賛成した」と評価した。

 稀勢の里は中学卒業後の2002年春場所で初土俵。史上2番目に若い17歳9カ月で新十両となるなど早くから期待され、11年九州場所後に大関へ昇進した。新入幕から所要73場所は昭和以降最も遅い横綱昇進になる。貴乃花が03年初場所限りで引退して以来14年ぶりに、番付に日本出身横綱が載る。