関脇高安(27=田子ノ浦)が、優勝争いで全勝の白鵬を1差で追う横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)を、力強い相撲で倒し11勝目(2敗)を挙げた。

 前日12日目に、大関昇進の目安とされる「直近3場所合計33勝」に届いていたが、さらに星数を上乗せ。先場所は横綱戦に2戦2敗だっただけに、価値ある白星となった。

 「昇進」に関しては、軽々に口は出せない協会トップの立場から、八角理事長(元横綱北勝海)はこの日も「(千秋楽が)終わったら言う」とくぎを刺しながらも、相撲内容には高評価する言葉しか出さなかった。今年に入り実感している高安の強さについては「今場所、特に強くなったという感じ」と評し、今場所も「序盤戦から『勝っているな』ではなく『力強いな』というイメージ。怖いもの知らずというか勢いがある。今日も『まわしを取って行ける』という自信をつけた」と話した。

 一方、大関昇進が決まる段取りで最初の手順となるのが、審判部から理事長への理事会招集の要請がある。審判部の総意があれば千秋楽に要請するが、その審判部トップの二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「あと2日ある。千秋楽を見てからね」と一応の予防線? を張る一方で「大きい一番ですよね。皆さんが思うのと一緒。明日か明後日に意見を聞きますよ」と、審判部内で昇進OKか否かの意見を聞き、総意としてまとめることを明かした。